とびっきりのヒーロー① ブラック・ジャック
ブラック・ジャックは、手塚治虫さんの漫画です。
ブラック・ジャックは、僕がこれまで出会った小説、マンガ、アニメ、映画の中で、一番かっこいいと思う『主人公』です。
このマンガの連載が『少年チャンピオン』で始まったのは1973年の11月なので、僕は6歳で小学一年生です。さすがに小学一年でチャンピオンを読んでいたわけではありません。初めて読んだのは小学四の頃、従兄のおにいちゃんの家で単行本を読みました。
小学生の頃、春休みや夏休みはもちろんですが、折にふれ、母に連れられて親戚の従兄のおにいちゃんのところに遊びにいくのが僕はとても楽しみでした。
ボードゲームをしたり、野球をしたり、虫取りをしたりと、おにいちゃんと遊ぶのは時間の経つのを忘れるほど楽しかったのです。
僕が小四の時、おにいちゃんは中三で、高校受験を控えていました。僕が遊びに来たからと言って、おにいちゃんも一日中遊ぶわけにはいきません。僕は、おにいちゃんの勉強が終わるのを、今か今かと、おにいちゃんの部屋のベッドに寝っ転がって待っていたものです。お兄ちゃんにとってみれば、さぞ面倒くさい話だったと思いますが。
まあ、それはそれとして、お兄ちゃんの部屋には、たくさんの雑誌や漫画本が豊富においてありました。雑誌は、ジャンプ、サンデーのほか、「週刊プレイボーイ」、「平凡パンチ」…、「GORO」もあったとおもいます。
ませガキの僕は、「プレイボーイ」や「パンチ」は知っていましたが、「GORO」…うーん、なんだこれ?
パラパラパラ。
素敵な雑誌でした。
そんなこんなで、しまいには、待つほうが楽しくなってしまう始末だったわけですが、そんな素晴らしく環境の整った『勉強部屋』に、『ブラックジャック』があったのです。
まもなく、僕の興味は、『GORO』から、『ブラックジャック』に移っていきました。
『ブラックジャック』は、一言でいえば“男のロマン”です。“男のロマン“そのものです。
ブラックジャックは、天才外科医です。治せぬ病気はない、と思わせるほどの腕前と能力を持っています。
全世界の医療関係者から、一目も二目もおかれています。
しかし、ブラックジャックには医師免許がなく、無免許医です。
メンテナンス中‥すみません‥
なんとも気恥ずかしいやら情けないやら、しかし、とても懐かしい、僕と『ブラック・ジャック』の出会いです。
そして僕は、一気に『ブラック・ジャック』の世界に引き込まれていきました。